多くの疾患は、何らかの自覚症状によって自分は病気かもしれないという可能性が生まれます。自覚症状は目に見える症状や、どことなく体の不調で気づきます。血便やタール便などは目に見える症状で、頭痛や心臓の疼痛などはどことなくの体の不調などに分類されるでしょう。
しかし、疾患のなかには「自覚症状がないまま進行する」というものもあります。ポピュラーなのが、糖尿病や脂質異常症。また、高血圧に関しては頭痛やめまいの症状を自覚していても、自律神経の病気などと結論づけられることもあるようです。
とくに糖尿病は進行すると動脈硬化や腎不全、網膜症、壊疽(壊死)などの症状も引き起こします。脂質異常症も動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを負うため、定期的な健康診断や早期の診断が求められる病気です。
ここに挙げた「糖尿病・脂質異常症・高血圧」は生活習慣病とも呼ばれています。
生活習慣によって引き起こされることもあれば、生活習慣の見直しで改善または現状維持が望める疾患です。自覚症状がなくても食生活や睡眠、運動習慣が悪ければ一度検査を受けたほうが良いでしょう。喫煙や飲酒の習慣がある人はハイリスク群であることを認識する必要があります。
生活習慣の改善方法として、毎日体重や血圧を計測することから始めてみるのがおすすめです。
また、通勤の行きはエレベーターを利用し、帰りは階段を使って会社を出るというように、少しでも歩数を増やすことで効果が得られることもあります。看護師の立場で相談に応じる場合は、ゆるいところから始められるアドバイス方法を模索してみてください。さらに、病気の自覚症状がない人の割合をしっかりと認識しておくと、より高い意識を持って相談に応じることができるでしょう。